押尾コータロー ライブレポート

押尾コータロー コンサートツアー2011 "Hand to Hand"

ライブ情報

日時
2011年3月19日(土) 17:40頃〜20:00頃
会場
大阪・富田林 すばるホール

レポート

3月11日に東北地方太平洋沖地震が発生し日を追うごとにその甚大な被害が明らかになっていく中、果たしてコータローのツアーは執り行われるのか?という不安が募っておりました。東京及び千葉での公演は一旦中止になることがオフィシャルで発表されましたが、初日である3月19日の大阪・富田林でのライブは開催される運びとなったため行ってまいりました。自宅から車で約30分の場所なので今回は車で会場へ赴くことにしました。自分の運転じゃないですけど^_^;

で、会場である「すばるホール」 大ホールは798席。駐車場は266台まで収容可能。基本的に駐車スペース確保は問題ないだろうと予想していましたが、まさかのことを考慮し開場時間である17:00の1時間前、16:00到着のスケジュールを組みました。16:00少し前には到着したのですが、駐車場はガラガラでした^_^; これなら直前に行ったとしても十分停められたなあ…。駐車場を歩いていたらウルトラマンさんが私を見つけて声をかけてくれました。彼もやはり駐車場がいっぱいになるかもしれないと思って早めに来たのだとか。みんな考えることは同じだ。

1時間以上余裕があったのでちょっとだけ腹ごしらえをするためにホール付属の「レストランすばる 自然派キッチン なな菜」へ移動、ほぼ予想通りまだ混んでいなかったので即入れました。ここはミックスサンドとホットコーヒーという無難な線で…とか考えているうちにレストランの入口には人だかりが出来て順番待ち状態になりました。やはり1時間前作戦は功を奏したようです(*^^)v

開場30分前にホールに入ったのですが、今日コータローのライブをやるという表示がどこにもありません。入口の太い柱には大きく「新着振袖発表会」のポスターが貼ってありました。何で?って思いましたけどこれも自粛モードの一つなのかなあ。あまり派手派手に宣伝するのは人々の感情を逆撫でするかもしれないということを考慮して…あ、それとこのすばるホールなんですが2階が大ホールなんですけど3階がプラネタリウムになっているんです。これは知らなかった。普段は落語会や演歌歌手のライブ、シンフォニーの演奏も行われているようです。

17:00ちょっと前に入場が始まりました。ツアーグッズの売場を横目でチェック、既に人でいっぱいでチラッと3種類のTシャツが見えました。「やっぱり今回もTシャツかな。でも30分後にはライブが始まるので終了後かな…」とか考えながら座席へ向かいました。今回の座席ですが、

1階の前から3列目でほぼ中央、しかも通路側。非常に見やすいしコータローの練り歩き時に至近距離で見られる好位置。よく考えたらコータローのライブはかなりの確率で好位置をキープできているなあ。ちなみにエタチェンツアーの時は2列目。最初客の入りが悪いなあと心配していたのですが、開演時間近くになるとほぼ満席になり一安心。後ろを振り返ると後方でのぶぞ〜さんを発見、手を上げて軽く挨拶…そうこうするうちにステージにうっすらスポットライトが当たります。さあいよいよ…

するとなんと!コータローがマイク一本だけを手に持って登場しました。シルバー系の上着と黒っぽいズボンだったと思います。シンプルでシックな印象。ここでも派手さを抑えたのかもしれません。そして東北地方太平洋沖地震が発生しとてつもない被害が出ている中でツアーをどうしようかかなり悩んだことや、やはり自分は音楽を届けるしかないので今日は精一杯楽しんでいってほしい、というメッセージが本人の言葉で語られました。うーん、これは意表を突かれましたが、コータローの今日のライブに対する想い・気持ちが凄く伝わってきました。そしていよいよライブ開始!

ギターを抱えたコータローがシンプルな照明の中をゆっくり歩いて再登場。さて一曲目は? 軽快なタッピングハーモニクス!あーこれは〜〜!曲名が思い出せない(爆) ええっと、確か最後から2番目に入ってた曲です(つまり「fly to the dream」)。私は当然のように1曲目は「Brand New Wings」に間違いないと決めてかかっていたのでちょっと頭がパニックになり脳細胞がバグを起こしたのかもしれませんw。高音域がいつもより抑え気味かなあと感じましたが、会場の大きさもちょうど良く素晴らしいサウンドでした。GREVEN MDに持ち替えて「Jet」。でもこのあたりではまだ本調子じゃなかったような気がします。ただ思ったのは、この時点で(まだ2曲しかやってませんけど)「Hand to Hand」の曲はえらい難しそうやなー^_^; と痛感しましたね。私、まだ1曲も手をつけてないし運指とか全然わかんないんですけど「こりゃ大変そうだ!」というのが第一印象。

ここでNHKラジオの番組「ラジオマンジャック」の話になりました。番組のためにとにかくファンキーでかっこいい曲を作りたかったそうです。それが「HEART BEAT!」。ラジオで、時報 → コータローのタッピングハーモニクス(イントロ部分) → 「ラジオマンジャック〜♪」のナレーション という流れになる部分を時報からギターで再現。ライブでもイントロの直後に「ラジオマンジャック〜♪」って自分で言ってしまいそうになるらしいw。この曲、ホントかっこいいね!でも弾くのは…あれは大変だ、きっと。

4曲目。亀岡ギターに持ち替えてミドルテンポの曲。あー、えーと、また曲名が出てこない^_^; アルバムでの位置はわかってるのにな、とほほ(実は「Good Times」)。亀岡ギターってレコーディングではほとんど使われていないけどライブでは必ず登場します。このギターはライブでの音作りがしやすいのかな? それにとっても丈夫なんでしょうね。ライブでの使用頻度はかなり高いもの…

やや暗転してバックグラウンドカラーが赤。そしてGREVEN Dで「予感」。これね、はっきり言ってメッチャ好きなんですけど、あのコータローですら弾くので精一杯という印象を受けました。余裕がないというか。なんでそんな難しい曲書くのw でもこれは弾いてみたいなー。超カッコええことを再確認できました。や、やってやる!多分…続いて再び亀岡ギターに持ち替えて「ナユタ」。ここまでは結構細かいミスとかいろいろあったんですけど、この「ナユタ」に関してはほぼ完璧な演奏やったんやないかな。前半かなり抑え気味に弾いて徐々に盛り上げてスパーンと行くかと思いきやそれほど行かずエンディング。この演奏は良かったなあ。それにやはりいい曲だ。このあたりまではほとんどMCがなくてどんどん演奏されました。

ここで小さな丸椅子が運び込まれていつものマイクで音を拾うコーナー。MARTIN Sting miniを抱えています。The PoliceのStingのモデルであること、それとナッシュビルチューニングであることを説明。コータローがこのギターを初めて弾いた時に「この感じ、これってあれやん!」 そう、風の「22歳の別れ」ですね。それが弾きたくて買ったそうです(爆) イントロを弾いてくれましたよ。で、このギターで自分の曲も書いてみようかと思って出来たのが「Little Prayer」。本当にカワイイ音でした。小さなマイクで拾っていたけど音量的には問題なく十分な感じ。いつも思うけどあのマイクは高いんでしょうね…

お次はGIBSON L-1。コータローはお酒が全然飲めない人だったそうな。でも最近は少しは飲めるようになったかなと油断して、ある時勧められるうちに飲んだら次の日頭がメッチャ痛いし大変だったんだとか。その感じで作った曲ですwってことで「Hangover」。原曲よりかなり崩してルーズな感じで弾いてました。このL-1は正にいぶし銀の音やな。続いて「黄昏」。右手に注目してたんですけど今回はアポヤンドでは弾いてなかったです。親指〜薬指をバランスよく使って演奏してました。小指は付いてました(笑)…ここで人の手の話。ハンドパワーじゃないけど、コータローは人の手には凄い力があるって思うことが多いんだとか。そして「手のひら」。これもいい曲ですねー。スタンダードチューニングだしこの曲から始めてみようかな…L-1の音と楽曲がバッチリ合ってる雰囲気。うおー!、L-1欲しいぜ!w

暗転、そしてGREVEN MD。来ました!「Merry Christmas Mr. Lawrence」 この曲、以前は物凄く難しい曲という印象だったのですが(もちろん私には難しいんですけど)、アルバム「Hand to Hand」からの楽曲演奏を聴いていたらそれほどでもないと思えるのが不思議だ(笑)。それといつもに比べて照明が地味なような気がしました。あのタッピングハーモニクスの連続の部分もいつもより大人しい感じがしたのは私だけでしょうか…そして「ワン!ツー!スリー!フォー!」の掛け声とともに始まった「Landscape」。演奏的にはかなり失敗してたような気がしないでもないですが、曲全体のノリというか躍動感がこの曲あたりからかなり上向いてきたんじゃないかな…

ここで今日初めて登場したSUGITA KENJI Carrera DLによる「Go Ahead」。この演奏がメチャクチャ良かったです!テクニック的にも非常に難易度が高い曲ですが、ほぼ完璧に弾いていたし曲のうねり感というかウェーブがVery Very Good!でした。サウンドもCarreraらしさが非常に出ていて超ナイス!いよいよノッテきたぜ!コータロー!続いての「TREASURE」を弾くコータローの顔がなんとも言えずニコニコしていたのが印象的でした。「私にとっての宝物は、今日ここに来てくれている皆さんです!」 ( ̄▽ ̄)V いえーい! 俺らの宝物はコータローだぜっ!大阪の顔!(爆)

「今日は練習なしで行きます」…キタコレ!「Snappy!」。でもホントみんな家で練習してきてるんじゃないか?っていうくらい拍手が揃ってましたね。これはマジで凄い。ノリも絶好調!観客の体が揺れている。いい感じだ。改めて言うときますけどアコギ一本ですからね。ここまで観客をのせられるのは本当に凄いことだ。数あるアコギストでもここまでできるのはやはりコータローだけ。それは断言できる。

GREVEN Dに持ち替えたと思ったらそのまま即「Dancin' コオロギ」に突入。On ベース 押尾コータロー でのラストはチョッパーしまくりでリキ入ってたなあ。On エレキギター 押尾コータロー、そして On フォークギター 押尾コータロー。もちろんアリスの「チャンピオン」。いつも思うけどこれ歌ってる時のコータローはホント活き活きしてるよねw。で、次は On ドラムス 押尾コータロー なんだけど、ここでなぜかCarrera DLに持ち替え。はて? どして? GREVEN Dにトラブル発生? でもいつもどおりゲートリバーブ効かせまくりのドラミング(と言っていいのかw)。これはいつ見てもやっぱりスゲエや。♪♪v(⌒o⌒)v♪♪イエーイ とそのままのノリノリの状態で「最後の曲です!」。お、なんだ? やっぱキタコレ!「Over Drive」! もうノリノリ。お客さんも総立ち状態。こりゃほとんどロックコンサートだぜ!圧倒的なパワーのエンディングでライブが終了しました。いやー、これは凄いわ。コータローはまた一つ、アコギ一本でのライブの枠を超越してしまった、そう感じずにはいられませんでした。

アンコール。コータローは赤系の花柄シャツに着替え。「やっぱり大阪は最高やね。みんなどうもありがとう!!…大阪では朝の定番番組に『おはよう朝日です』というのがありまして。そのオープニング曲に採用されるなんてホント光栄です。」 そうです「Brand New Wings」。この曲の演奏も素晴らしかったですね。プロモーションで全国回って何度も弾いて一番練習できてるからかなw。「押尾コータローを“演奏してみた”選手権 - ニコニコチャンネル」でいろんな人の演奏を聴かせてもらったけど、やっぱり本家本元の演奏は違うね。コータロー、かっこええわ。

「今日はこの曲をみんなで歌ってもらいたいんです。ちょっと弾いてみますね。」とコメントして弾き始めたのが「雨上がり」。ローズ・ピアノが見当たらないので(笑)内蔵エフェクトは使えない。どうするのかな?と思っていたら、そのシンプルなメロディ部分をみんなで歌ってほしい、そういうことだったんですね。アコギマガジンで「ライブでは何か手を考えます」と言っていた答がこれだったんです。なるほど。しかもみんなに歌わせる場面に入ると、何と!コータローが、ステージに向かって右側の階段から通路へ降りてきました。そしてゆっくり歩きながらみんなに「ラー、ラー、ラー、ラー、ラー…」と歌うように促します。1階だけでしたが客席をゆ〜ったり隅々まで練り歩き。最後は私たちの真横も通りました。コータロー、やっぱりデカイ!(そこかw) 最後はほぼ観客の声だけで大合唱。会場が正に一体となった瞬間でした。

『「また明日。」という曲を作りまして…これを今日は生音でやってみたいと思います。』と言うと、コータローはGIBSON L-1を抱えてステージに向かって右側の階段に足を掛けて座りました。少し試し弾きして「聞こえる?」「聞こえるよ〜〜!!」 観客が一気に静まりかえるとコータローは「また明日。」を弾き始めました。ホールの音響が良いせいもあるのかもしれませんが、コータローのしっかりしたピッキングで奏でられるL-1の音は確実に2階席の後方まで届いていたと思います。これはあのフェスティバルホールでのラストを彷彿とさせましたね。素晴らしい。ホント素晴らしい。ギターってイイよなー。最高。あー、今日はこれで終わりかあ…

…忘れてはいけません。私にはまだ一大イベントがあったのです。そう、今日は「風の詩プロジェクト」のことをコータローに直接伝えなければなりません。最初はライブ終了後出待ちして用意した手紙を渡そうかと考えていたのですが、いまいちインパクトに欠けるしやはりライブの最後に渡すのがいいんじゃないか?と前日に思いついたのです。手紙だけ渡すのも変なので花束と一緒に。ただ、男性の私がコータローに花束…っていうのも絵にならないwと思ったので、プロジェクト参加者でライブに同行してくれていたhiroさんに「頼む!」とお願いしたら快く引き受けてくれたので彼女に託しました。最後の最後、ステージに向かって左袖にコータローが挨拶に来た時にhiroさんがステージに向かってダッシュ! 花束と手紙をきっちりコータローへ手渡してくれました(ちなみに何か言おうと思ったが声は出なかったらしいw)。コータローは花束と手紙を別々に持ってくれたので、この日来てくれた人ほぼ全員にその全貌を確認いただけたと思います。お客さん全員が証人です(爆) コータロー、手紙読んでくれたかな…

これでライブは終了。気が付いたら(「アタックNo.1」を含むと)なんと21曲も演奏してくれていたんですね。今日の総評。「Hand to Hand」というアルバムはこれまでのアルバムを一つ飛び越えて恐ろしく凄みを増していること、そしてコータローのライブはアコギ一本のライブとしては一つ更に高みに達したこと、を実感いたしました。皆さん、今回のツアーは見逃したら駄目ですよ!それと今日の大ヒットは「ナユタ」と「Go Ahead」ですね。これは弾きてぇ〜〜♪

ライブ終了後のいつものお決まりとしてツアーグッズ売場へ。これまたいつものとおりTシャツを買いました。色は黒にしました(*^^)v そうこうしていると、hiroさんが俺のほうを見て必死に手招きしているのが見えます。「うん? どしたどした?」「コ、コータローがいる!! 募金の受付のとこに…」 あらホントだ。確かにいますねコータロー本人が。hiroさんに引っ張られながら東北地方太平洋沖地震の募金受付窓口へ…非常にたくさんの方が募金をしておられました。私も微力ながら協力できたので良かったです。hiroさんの番の時は「素敵な花束をありがとう!」とコータローに声を掛けてもらったらしい。「あの手紙、絶対読んでくださいね!」と言ったらコータローは苦笑いしてたとか。必死で言い過ぎた?w 私は「これからも頑張ってください!」とだけ伝えました。

出口付近でのぶぞ〜さん、それとららさんに会ったので「飯でも食いますか〜?」ということで、すばるホールから近いLive Bar、私の最近の溜まり場w「PRIMO PIATTO」へ行きました。で、マスターの三好さんにリクエストして「あいらんど そうる」を弾いてもらいました(笑)。「押尾さんのライブの後に弾くのは辛い…」というのは三好さんのコメントw マスターありがとうございました!

セットリスト (使用ギター)
  1. fly to the dream (GREVEN D)
  2. Jet (GREVEN MD Herringbone Cutaway)
  3. HEART BEAT! (GREVEN D)
  4. Good Times (T.KAMEOKA KMD Cutaway)
  5. 予感 (GREVEN D)
  6. ナユタ (T.KAMEOKA KMD Cutaway)
  7. Little Prayer (MARTIN Sting mini)
  8. アタックNo.1 (GIBSON L-1)
  9. Hangover (GIBSON L-1)
  10. 黄昏 (GIBSON L-1)
  11. 手のひら (GIBSON L-1)
  12. Merry Christmas Mr. Lawrence (GREVEN MD Herringbone Cutaway)
  13. Landscape (GREVEN D)
  14. Go Ahead (SUGITA KENJI Carrera DL)
  15. TREASURE (GREVEN D)
  16. Snappy! (GREVEN MD Herringbone Cutaway)
  17. Dancin' コオロギ (GREVEN D 〜 SUGITA KENJI Carrera DL)
  18. Over Drive (SUGITA KENJI Carrera DL)
  19. Brand New Wings (GREVEN D, 以下アンコール)
  20. 雨上がり (SUGITA KENJI Carrera DL)
  21. また明日。 (GIBSON L-1)

文書情報

初稿
2011年3月20日

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